onestonetwobirds’s diary

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アインシュタインの相対性理論 その4

アインシュタイン相対性理論について、その核心部分を紹介させていただきます。

今回は、特殊相対論によって生じた時間と空間の概念の変化について述べます。

8回に分けて連載させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

相対性理論のもっとも美しいところ

4 時間と空間

 相対性理論が知られる前においても、空間は、ある意味で相対的なものと認識されていました。それは、静止系と運動系があった場合、運動系にいる人から見ると、自分が静止していて静止系が自分とは逆方向に同じ運動をしているように見えるからです。一方、時間は、完全に絶対的なものと認識されていました。したがって、相対性理論によるイノベーションの影響がより大きかったのは、時間の概念に対してです。

 光速度不変の原理から、「同時刻の相対性」という事実が導かれます。これは、静止している観測者にとって同時刻に起きる二つの事件が、一定速度で運動している別の観測者にとっては異なる時刻に起きることを意味します。実例として、定速で走っている電車の中央から発された光が、等距離にある電車の両端に到着する時刻は、電車の中にいる人から見ると同じですが、電車の外にいる人から見ると、前端に到着する時刻が後端に到着する時刻より後になります【解説1】。これまで時間というものは運動状態にかかわらず全ての人に共通であると信じられていましたが、この事実によりそれは真実ではないことがわかりました。同時刻の相対性は、「時間の相対性」と言い換えられます。すなわち、運動状態の異なる慣性系間で時間の進み方が違います。運動速度が速くなるにつれて時間の進み方が遅くなります。「走っている時計は遅れる」という現象が現れます。これはローレンツ収縮と呼ばれています。このような現象が起きる理由は、静止系と運動系で時空構造が異なっているからです。静止系と運動系の時空構造にはローレンツ変換と呼ばれる関係があることがわかっています。

 時間が相対的であるのと同様に、空間もまた相対的です。すなわち、「走っている物体は縮む」という現象が確認されています。それまで、物体は静止している時と運動している時で、その形は同じと考えられていましたが、相対論的には、運動している時の形は運動方向に縮みます。その理由も、時間の場合と同じく、異なる慣性系間にローレンツ変換という時空構造の関係が存在することによります。この関係から、時間と空間は互いに影響し合い独立ではなくなります。その結果、時間と空間は一体化され、四次元時空として扱われることになりました。これに伴い、速度、加速度、運動量とエネルギー、電磁場、電流などの物理量は、四次元の量として扱われることになりました。

 時間と空間が一体化されて四次元時空として扱われることは、一般相対性理論においても引き継がれています。したがって、いろいろな物理量を四次元量として扱うことも同様です。特殊相対性理論では、異なる慣性系間で時空構造が相対的でしたが、一般相対性理論では、一つの加速系において時空構造が相対的になります。ひとつの座標系の中で、場所によって時間の進み方や空間の尺度が変化するのです。

<つづく>

この記事は次のURLからもご覧いただけます。特に、【解説1】~【解説8】の図解はそちらでご確認ください。

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