onestonetwobirds’s diary

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アインシュタインの相対性理論 その6

アインシュタイン相対性理論について、その核心部分を紹介させていただきます。

今回は、「重力は時空の変化である」という一般相対論の結論の意味をひもときます

8回に分けて連載させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

相対性理論のもっとも美しいところ

6 重力の正体

 一般相対性理論は、重力とは何かを解き明かす理論です。一方、特殊相対性理論では重力を扱うことができません。このことと、特殊相対性理論が加速系に適用できないことは、同じ原因によるものです。一般相対性理論が、重力について新たな境地を発見できたのは、その原因を初めて突き止めたからです。その原因は、「等価原理」と呼ばれる考えによって示されます。等価原理は、簡単に言うと、「重力場は加速系に等しい」というものです。詳しく言うと、重力場で自由落下している人から見ると、周りのすべての物は、重力の加速度と反対方向に、同じ大きさの加速度で飛び去っているように見えます。これは、自由落下している人が静止していて、周りの物が、重力の加速度とは反対方向に、同じ大きさの加速度で引っ張られているのに等しいと考えられます。したがって、「重力場と加速系は同じ現象である」と結論付けることができます。

 この考えが提唱される前から、重力について経験的によく知られていることがありました。それは、自由落下するエレベータの中では、重力と等しい大きさで反対方向の慣性力が発生し、それによって無重力状態が出現すること。重力質量が慣性質量に等しいこと。さらに、重力場は、その作用が及ぶ範囲にあるすべての物に同一の加速度を与えるということです。これらの経験的事実を、自然界における真理として原理化したものが、等価原理なのです。アインシュタインは、この原理が重力だけでなく、自然現象すべてに適用されると考えたのです【解説5】。これまでの記述により、次の二つの事実が明確になりました。

     ① 回転円盤で示された通り、「加速系では時空が変化している」

     ② 等価原理で示された通り、「重力場と加速系は等しい」

 これら二つを組み合わせることで、「重力場では時空が変化している」と推論されます。この推論を逆にたどると、「時空の変化によって重力場が現れる」ことになります【解説6】。これが、相対性理論によって明らかになった重力の正体です。そして、この正体を見抜いたことが、あらゆる物理学理論の中でもっとも美しいところとなるのです。以上で、最初に掲げた本稿の目的は達成されました。

 次に、相対性理論の成果を示すものとして、アインシュタインの重力理論を用いないと説明できない現象の一つを取り上げます。

<つづく>

この記事は次のURLからもご覧いただけます。特に、【解説1】~【解説8】の図解はそちらでご確認ください。

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