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アインシュタインの相対性理論 その2

アインシュタイン相対性理論について、多くの方に知っていただきたいことがあります。

今回は、相対論によってもたらされた時間・空間と重力に対する認識の転換を紹介させていただきます。

8回に分けて連載させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

相対性理論のもっとも美しいところ

2 パラダイムシフト

 相対性理論は世の中にいろいろな変革をもたらしました。その中で最大のものは、時間と空間のあつかいに本質的な修正がなされたことです。相対性理論が現れる前は、時間は過去から未来に向かって常に一定の調子で流れ、万人に対して同じ時刻を示す絶対的なものでした。また、空間は三次元方向に一様に広がったもので、ユークリッド幾何学で扱われる空間と同じものでした。そして当然のこととして、時間と空間は互いに別物として扱われていました。

 ところが、1905年に特殊相対性理論が確立されると、時間は運動することによって遅れが発生し、空間もまた運動によって縮みが生じることがわかりました。つまり、時間と空間は運動状態によって変化する相対的なものとなりました。あわせて、時間と空間にはローレンツ変換と呼ばれる一定の関係があることが示されました。

 さらに、1916年に一般相対性理論が確立されると、特殊相対性理論でも疑われることのなかった時空の一様性が見直され、時間と空間は非一様なものとなりました。それは、一つの座標系においてさえ、場所によって時間の進む速さが異なるとともに、距離の単位が変化することを意味します。このように時間と空間の概念は常識とかけ離れたものとなりました。これまで時空構造は直線で表されると考えられていたことが通用しなくなり、新たに曲線を主体とする時空を考えることが必要となりました。

 相対性理論によってもたらされた変革で次に大きなものは、重力に対する認識が刷新されたことです。相対性理論が現れる前はニュートンの理論に従い、重力は二つの物体の間に働く万有引力であると考えられていました。私たちが地上で経験する重力も、地球と地表にある物体の間に働く万有引力に他なりません。その力の大きさは万有引力の法則に従い、二つの物体の質量とそれらの間の距離から定量的に求まるものでした。しかし、相対性理論光速度を超える速度を許していないのに対して、ニュートンの理論は無限大の速さで重力の作用が伝播することを前提としています。重力の伝播速度に関するこの不完全さによって、ニュートンの重力理論には誤差が生じてしまいます。一般相対性理論によると、重力は時空の変化であるということになりました。

<つづく>

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